カバヤキこーひーるーむ

✒️結局Xのアルゴリズムはどう変わったのか

Xをサブスクしたら統計にアクセスできるようになったので色々見てみて、この一年で激変していたことがわかり、体感の変化と一致していた。


まず、理解しないといけないのは、Xはツイッターとはもうまるで違うということ。(良くも悪くも)


ツイッターのとき:投稿したらフォロワーに全配信された。フォロワー視点だと、フォローしてる先の投稿がタイムラインに滝のように流れていた


Xのとき:Xは、ユーザーが投稿したことを、他のどのユーザーに届けるかをアルゴリズムが決める。アルゴリズムはいわば”メール配信先最適化マシン”。まずフォロワー内に流して、みんなのリアクションが良ければ非フォロワーの”外洋”にも流す。そして、ライバル社などのリンクが入っているもの、ちょっと安全じゃない内容のもの、激しい議論を呼びそうなもの、などはアルゴリズムが”配信しない”と決めてしまう。


つまり、例えば投稿のインプレが著しく低いとき、それはフォロワーさんが興味がないからというよりもむしろ、アルゴリズムが多くの人に届けていない。


なぜか。アルゴリズムは、各ユーザーの過去の行動パターンを見て、どんな内容が好きそうかを予測している。過去の行動パターンには、いいね、リポスト、コメント、ブクマ、シェア、投稿への滞在時間、逆に自分がよく投稿してる内容、デバイスの種類、などが含まれる。つまり、「いいねは賛同を表しません」と言ってもアルゴリズムにはわからないので、「こういうのが好きなんですね。もっと集めてきます!」と言ってもっと見せてくる。アルゴリズムは、ネガティブ評価はブロックやミュートで集まってくると思っているからである。なので、ブロックやミュート、そして「すばやくサッと通り過ぎてしまう」行動は、以前のツイッターの時よりも遥かに大きな意味を持つ。そして、逆にいいねやリポストなどの「お手軽な操作」はツイッターの時よりも遥かに「評価されなくなった」。評価が高いのはコメント、そして投稿のURLをコピペするなどの「手間のかかる作業」。これはイーロンが、Xを「コミュニケーションの場」として位置付けようと思っているから。なので、「読む専門」ということでツイッター時代から使っていたようなアカウントは、「潜伏者」としてアルゴリズムに認識されてしまう。たとえ画面上で読んでいてもアルゴリズムには目の動きがわからない。滞在時間という評価パラメーターは、分単位でしか測れない。なのでどういうことが起こるかというと、アルゴリズムは「Xに投稿をしてくれるアカウントを潜伏者から守るために」、投稿を表示しなくなる。読む専門で使っているアカウントには、まとめ記事や古いニュースなどしか流れなくなるのである。仮に誰かをフォローしていたとしてもである。悲しいのは、これは、アルゴリズムの好意でしかないことだ。アルゴリズムは投稿者の書いたものを、「リアクションの低い人にシェアしてチャンスを浪費させないため」にこういうことをしているし(各投稿の”寿命”は約48時間)、読む専門アカウントに対しても、「Xをお楽しみいただけてない」と考えて邪魔しないようにしているのである。


そもそも、なぜ読む専門アカウントが生まれたのか、というのは、炎上、やボットが多かったことが背景にある。実際、イーロンはX買収後、まずこれらに取り組んだ。なので、アルゴリズムは基本的に「炎上を抑え、ボットを狩る」ことを至上命題にしている。炎上、煽り、変な奴らの集団湧き起こりみたいのは、アルゴリズムが更新されるごとに減ってはいる。明らかに煽り目的の投稿はほとんど誰にも配信されない。結局、Xは「日々の生活の一片を投稿する」場から、「クリエーターによる、ある程度完成された作品を展示する場」になったとも言える。そして、それらに対する建設的な議論がコメント欄では期待されている。


Xでは世界中で毎分数百万の投稿がされるという。アルゴリズムはこれらを瞬時にさばき、しかも学習し続けなければならない。このため、処理を軽くするために、使われているAIはかなり小さい。そして計算を効率化する必要があるので、ユーザーを”何々系”に束ねて管理することで、個々の投稿を扱う手間を効率化している。そして何系への分類には、過去のデータが使われている。なので過去のデータが多い人ほど、方向修正に時間がかかる。このアルゴリズムは3週間ごとに更新されるとしているが、実際にはほぼ毎日微修正が追加されてはいる。


これらの判断には、トレードオフも大きい。プラットフォームの中身はほとんど全て変わったのに、UIがほぼ同じなのでアルゴリズムが収集できるデータの種類が限られているという限界もある。ユーザーとしては、上述のインプレも含めて、ツイッターとは挙動も、意味も、コンセプトも全然違うということをまず念頭に置かなければいけない。しかし一方で、炎上やスパムは確かに減ってきている。日本のユーザーも、アメリカ企業が開発したプラットフォームだということを意識において、「よりはっきりした意思表示」をすることで利用体験が変わるし、アルゴリズムの方も賢くなるのかも知れない。