カバヤキこーひーるーむ

✒️SARS-CoV-2は自身のRNAの硬さを「プリン」と「グミ」の物理スイッチで切り替えている

今日は、コロナウイルスがRNAの容量制限を、立体構造にすることで劇的に向上している、という論文をXで紹介しました。 ここベアブログでは、このウイルスがさらに、この立体構造の硬さを自在に調節することで、翻訳向き、梱包向きに切り替えていることが分かったという革新的な論文を紹介したいと思います。

「物性(モノの硬さや流れやすさ)」をスイッチ一つで変えて、用途を使い分けているという、あり得ないほど高度な物理化学的戦略

この論文の核心は、リン酸化でNタンパク質とRNAが作る「液滴(凝縮体)」の粘度と弾性が劇的に変わることです。

物性の変化:プリンvs. グミ

持ち場の切り替え:住所と仲間の変更


さらに面白いのは、リン酸化によって「行きつけの場所」と「やりとりする相手」も変わることです。

この「液体でしょっぱなを通す」という手口は、方法は違うもののRNAウイルス界では「最新の流行(トレンド)」になりつつあります。 SARS-CoV-2がその「先鋭」ですが、同様の「物理スイッチ」を使うウイルスが他にもいます。特に麻疹(はしか)ウイルスや狂犬病ウイルスなどの、パラミクソウイルスやラブドウイルスと呼ばれるグループです。

彼らがやっているのは「物理法則(粘度や表面張力)」のハッキングです。


「生物学的な鍵鍵穴」の話はもう古い。今は「物理的な粘り気と流れ」を制する者が、細胞を制する、という時代なのかもしれません。


Favetta, B., Wang, H., Cubuk, J. et al. Phosphorylation toggles the SARS-CoV-2 nucleocapsid protein between two membrane-associated condensate states. Nat Commun 16, 7970 (2025). https://doi.org/10.1038/s41467-025-62922-4


人間も、立体構造で進化してみませんか?

最新のレポートでは、立体的なナノシミュレーションで、壊れたミトコンドリア同士を繋げて部品を融通しあい、修復させる細胞のメカニズムを研究。珍しくない物質の珍しい組み合わせがそれをどこまで有利に持ち上げられるか分析しています。
詳しくはサイトページまで。