カバヤキこーひーるーむ

✒️ロングコロナとME/CFS。似ていて似ていない二つの病気。

「同じ病気か、違う病気か」

この問いは、正解のない迷路に見える。
だが、PLOS One のデータを冷静に睨めば、輪郭が見えてくる。

まず、似ている。
酷似していると言っていい。
起立時の脳血流低下、広範な自律神経障害、スモールファイバー・ニューロパチー。
これらの出現頻度は、ロングコロナとME/CFSの間で驚くほど重なる。

だが、以前の「Liuら」の論文が見つけた IgG の振る舞いを思い出すと、ただ単に名前が違うだけではないということも分かってくる。

あの論文によれば、ロングコロナ側では「止血・血栓調節」のタンパク質が目立ち、古典的 ME/CFS は「細胞外マトリックス」寄りだった。
つまり、入り口の入り方が少し違う。

それなのに、なぜここまで似た所見に着地するのか。
ここで、一つの違和感が首をもたげる。

今回の数字を突き合わせると、ロングコロナ群のほうが「悪い」項目が少なくないのだ。

症状の期間は ME/CFS の方が長いのに、
ロングコロナの方が起立時の脳血流低下は深く、自律神経障害のスコアは高く、小径線維神経障害の頻度も多い。

これは「病気の期間の短さ」と矛盾する。
著者たちも指摘している。単なるデコンディショニングや、時間の経過だけでは片付かない、と。

私の推理では、
ロングコロナには、「血管・自律神経の強調符」がある。

同じ曲を弴いているようで、ベース(血管)とドラム(自律神経)のビートが、ほんの少し前ノリで、強く打ち鳴らされている。
血流、換気、立位負荷。このあたりの拍が、ME/CFS よりも少し強く、先鋭化している。
だからこそ、期間が短くても、症状の「音量」は大きくなる。

Liu論文で ロングコロナ側が「止血系」の異常を示していたのも、この読みを補強する。
病態は同じ円の上にある。
だが ロングコロナは、円の中心ではなく、血管と自律神経の側に偏って座っている。

「私たちはまだ、身体が何をできるかを知らない」(スピノザ)
だとすれば、その逆もまた真実だろうか。
解決すべき謎は多い。


Immunoglobulin G complexes from post-infectious ME/CFS, including post-COVID ME/CFS disrupt cellular energetics and alter inflammatory marker secretion https://doi.org/10.1016/j.bbih.2026.101187


Shared autonomic phenotype of long COVID and myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome https://doi.org/10.1371/journal.pone.0341278


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