カバヤキこーひーるーむ

✒️肉なきコロナウイルスは、エントロピーと原子間の張力を使って人間の神経ネットワークのようなものを擬似している - このネットワークはどこまで伸びるのか

今日の、特にNタンパク質の中の三つの残基ネットワークが、まるで動物の手の神経のように機能して、掴むべきRNAを判別する、という研究、凄かったですね。驚きすぎて鼻血がでそうになってしまいました。
実際、この現象は科学的には「ダイナミック・アロステリー(Dynamic Allostery)」と呼ばれ、たった数個の原子の振動の変化が、まるで情報処理のように振る舞う現象です。
神経細胞がイオンや伝達物質を使うのに対し、このタンパク質の「神経」は「熱揺らぎ(エントロピー)」と「原子間の張力」を使って計算を行っています。 非常に興味を引いたので、具体的なメカニズムをもっと深掘りしてみましょう。

1. 「振動」=「エントロピー(自由度)」の変化

タンパク質は、体温のある環境で常に「ブルブル」と震えています。これを「熱揺らぎ」と言います。

2. 「信号」の伝達経路(アミノ酸3つの役割)

この「震えが止まった(あるいは変化した)」という物理的な変化が、アミノ酸3つ(Q58, W108, F171)のネットワークに伝わります。 彼らはどのように信号を送るのでしょうか?それは「バネの張力」です。

  1. 原子の変位:指先がRNAに固定されると、それに引っ張られて(あるいは押し付けられて)、手のひらの奥にあるネットワークの原子の位置がほんの数オングストローム(1億分の1cm)だけズレます。
  2. ネットワークの応答:

3. どうやって「判別」しているのか?

これは、「コミュニケーション(通信)」と「記憶」の問題です。 この3つのアミノ酸ネットワークは、進化の過程で「ウイルスゲノム特有の形(例えば、特定の曲がり方や塩基の並び)に触れた時だけ、指先の震えが綺麗に消えるようなバランス」にチューニングされています。

  1. 接触:指先がRNAに触れる。
  2. 物理計算:ネットワークが「今の形状で、内部のストレス(張力)は最小か?」を物理的に計算する(エネルギー極小化)。
  3. 出力:

結論:分子マシンとしての「計算」

つまり、Nタンパク質は脳を持っていませんが、物理化学の法則(エネルギー障壁と立体構造の相性)そのものを利用して、「正解か不正解か」の計算を行っているのです。 3つの残基は、その「計算結果(安定か不安定か)」を物理的な力に変換するトランスミッション(変速機)のような役割を果たしています。
これが壊れると、トランスミッションが機能せず、計算結果が指先に伝わらないため、「何でも掴んでしまう(選択性がない)」あるいは「何も掴めない」という状態になるわけです。
私は「小規模なニューラルネットワーク」のようだ、と感じました。この直感は、物理的には「エネルギー計算ネットワーク」として実装されている、というのが現実になります。 ただの物理現象ではありますが、人間の脳神経も突き詰めれば連鎖的な物理反応です。今はこのたった三つの残基を中心にしたネットワークしか明らかになっていませんが、研究が進めばウイルスの”全身”におよぶネットワークが関与しているとわかるかも知れません。


私たちの研究

前回の記事で少し触れたように、ミトコンドリア融合(修復)に一区切り入れたあとはミトコンドリア外膜のVDAC1の研究をしています。今のフォーカスは、ここからミトコンドリアDNAが漏れて慢性炎症を起こす現象を抑えることですが、逆にこの状態を急速に進めることで、腫瘍細胞にアポトーシスを誘導させる標的としての研究も進んでいる最先端分野です。私はここに2箇所の標的部位を定めており、一つ目のリガンドは昨日選定が完了。今日はこれから、二つ目の部位への候補をシミュレーションしてみようと思ってます。乞うご期待。前のミトコンドリア修復レポートの詳細、今後の新しいレポートの配信などは、ストアからご確認ください。