カバヤキこーひーるーむ

✒️私たちは何と対峙しているのか ー 場を操作する能力を持った新型コロナウイルス

規制が解除されてから多くの人の頭の片隅にある疑問は、新型コロナウイルスはどの程度”普通の風邪”なんだろうか、という点だと思います。
私は病気が体にどう現れるかではなく、病気が起こるメカニズムに焦点を当て、今日はXで二つの投稿をしました。


一つは、新型コロナウイルスのスパイクプロテインは、側面(NTD)がシアル酸という細胞表面の”アンテナ”に触れると、先端のRBDを結合しやすいようにACE2の側に向かせる、というもの。
二つ目は、スパイクプロテインはACE2に結合する前に、ヘパラン硫酸という細胞表面の分子に接触すると、ACE2密集地帯を形成し、結合ポイントを能動的に増やす、というもの。この研究者たちは、受容体密集地がもはやシナプスのように見えることからシナプス様インターフェースと呼んでいました。


このシアル酸もヘパラン硫酸もウイルス界隈では利用するものは珍しくなく、これらに直接結合して感染するのも多くいます。しかし新型コロナウイルスに特徴的なのは、感染に直接利用しないにも関わらず、間接的に利用して結合成功率を劇的に高めている点です。
昨日は、新型コロナウイルスが感染から自己複製まで、確率的外れ値を利用していることを紹介しました。今日紹介した研究群はこの上にさらに、このウイルスが確率そのものを主体的に操作していることを示しています。これは、現在確認されている中ではここまで前景化している例はありません。
感染や自己複製に直接関係がないにも関わらず、それらも成功率向上のために間接的に利用する生態は、もし動物であれば計画性と呼ばれます。
そしてこのために、スパイクの単純な結合の力や、ACE2の多寡を指標にした人間の予測は非常に不明瞭なものになっています。
そして、このウイルスの「環境利用性」はおそらくシアル酸とヘパラン硫酸だけに留まらないと考える方が合理的です。このウイルスは他に一体何を「環境利用」しているのか。一度感染した人間の組織にも、この「環境利用」の痕跡と影響は残るのか。
これらが明確になるまでは新型コロナウイルスは”外れ値”であり、シアル酸もヘパラン硫酸の利用はすでにそのことに強固な根拠を与えています。


今の私たちの研究

ミトコンドリア外膜のVDAC1の透過性を調整して慢性炎症などをコントロールする最新の研究は、小分子の選定を昨日完了し、今日から複数小分子を用いたマルチリガンドMDに入ります。 前回のミトコンドリア修復(融合)研究のレポートと合わせて、最新情報はサイトからご確認ください。